loading
上賀茂神社
賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)
神代のむかし、本殿の背後に位置する御神体、神山(こうやま)に賀茂別雷大神が降臨したという神話が上賀茂神社の起源。
677年に造営された社殿の基は、1300年以上の間ほとんどその姿を変えず、
境内全域がユネスコ世界文化遺産に登録されています。
清らかな小川と豊かな森が息づく境内は、自然への感謝と畏敬に満ちた太古の神域。
神話や文学の舞台として、そして数多の歴史に語り継がれるこの場所で、
人生の節目となるひとときをお過ごしください。
四季折々の風物詩と、年間90を超える神事や祭祀。
上賀茂神社のひととせをご紹介します。

夢幻の花びらに神の姿が宿る
ひと雨ごとに春の気配が近づく頃
境内を桜の花が彩りはじめます
百五十年前に孝明天皇から贈られ
大きく広げた枝いっぱいに
優美な白い花をつける「御所桜」
艶やかな紅色の花が滴るように咲く
「斎王桜」に「みあれ桜」
種々の桜が次々に咲き誇り
三月下旬から四月中旬まで
皆様をお待ちしております
5月
賀茂競馬
平安時代、宮中で始まった儀式を受継ぎ、天下泰平と五穀豊穣を祈って行われる神事。二頭の馬が速さを競う勇壮な駆け比べは、現在の競馬の発祥といわれる
平安時代、宮中で始まった儀式を受継ぎ、天下泰平と五穀豊穣を祈って行われる神事。二頭の馬が速さを競う勇壮な駆け比べは、現在の競馬の発祥といわれる
賀茂祭
(葵祭)
「馬を走らせ、葵桂を飾って祭りをせよ」という賀茂別雷大神のお告げを起源とする。
御所車や平安貴族の装束をまとった勅使一行が練り歩く「路頭の儀」は、まさに平安絵巻そのもの
「馬を走らせ、葵桂を飾って祭りをせよ」という賀茂別雷大神のお告げを起源とする。 御所車や平安貴族の装束をまとった勅使一行が練り歩く「路頭の儀」は、まさに平安絵巻そのもの

夏夜の小川に舞う蛍
六月、夏の訪れを告げるのが蛍です。
日が沈み境内に静けさが戻る夜、
ぽつぽつと浮かぶ仄かな蛍火。
最盛期には二百匹ほどの源氏蛍が川辺を舞い、
初夏の夜を彩ります。
やがて蛍も終わりを迎える六月の末に行われるのが、夏越の神事です。
半年間の穢れを託した人形をならの小川に流し、
新たな半年の息災を祈る。
夏越の大祓を経て、
京都はいよいよ夏本番を迎えます。
6月
夏越大祓式
10月
笠懸神事
疾走する馬の上から的を射る「笠懸」は、日本書紀にも登場する弓馬術。
戦や狩りの稽古を起源とする実践的な技術で、神事として行うのは関西でも上賀茂神社だけ
疾走する馬の上から的を射る「笠懸」は、日本書紀にも登場する弓馬術。
戦や狩りの稽古を起源とする実践的な技術で、神事として行うのは関西でも上賀茂神社だけ

秋風に色づく錦繍の庭
御手洗川と御物忌川がひとつに交わり
緩やかに境内を南下するせせらぎ
百人一首に詠まれたならの小川は
秋になると紅葉のトンネルに覆われます
黄金色に輝く木々が日ごと色づき
息をのむほど深い赤に染まるまでの
万葉のグラデーション
色とりどりの糸で刺繍を施したような
静かで鮮やかな上賀茂の秋です

落葉の境内を雪の花が彩る
「冬はつとめて」とは枕草子の一節。
冬の朝だけがもつ特別な情趣は、
千年前から変わらぬままです。
寒さにかじかみながら、
まだ暗い庭を掃き清める箒の音。
朝焼けの中を、白く立ち上る神馬の息。
夜の間に積もった雪は
境内に冬化粧を施し、
楼門の朱色だけを
鮮やかに浮かび上がらせる。
冷たく澄んだ空気が
一切の穢れを遠ざけるかのような、
静寂の美がここにあります。